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1996年創刊号 文:阿部
●子宮は産むためだけの臓器ではない
現在、子宮筋腫の治療は、重症になれば全摘手術を、軽症ならば「様子をみましょう」と貧血改善の鉄剤などを処方するやり方を大部分の婦人科の医者が行っています。「更年期になれば治る」と言い、「すでに子供を産んでいるから、子宮は取ってもいいですね」と説得する医者も数多くいます。
子宮は女性にとって重要な臓器です。その子宮を全摘出することの意味は、子宮に病変があり、薬物などでは治すことができないから、やむを得ず子宮を摘出するわけで、もう子供を産まないから、子宮が不必要だから全摘出しているわけではないのです。
子宮は子供を産むためにだけある臓器ではありません。子宮を全摘してしまうと、子宮周辺の組織の支えが弱くなり、その結果、内臓下垂が起きやすく、腹痛や膀胱炎の引き金になるといわれていますが、このことからも子宮が臓器全体の中で大切な役割を果たしていることがわかるでしょう。

●子宮と卵巣は一体
また、「様子をみましょう」と言う一方で、「癌になるといけないから、早めに取ってしまいましょう」と全摘手術を勧める医者もいます。ことほどさように、子宮の治療をめぐる医者の見解には、患者を惑わせる不確定要素が多すぎるように思います。
かつて、胃潰瘍は癌に移行するからと胃の部分切除を行った時代がありました。ところが薬で完治できるようになった現在では、よほどのことがない限り、胃潰瘍で胃を取ることはなくなったと聞きます。同じように、子宮筋腫も薬で治せる時が来れば、「癌になるといけないから」という予防的な意味あいで子宮を全摘しようとは言わないはずです。
「卵巣を残せば、子宮を取ってもホルモン的には大丈夫」との説明を受けて、全摘手術を受ける患者さんも多くいます。しかし、卵巣を養っている大半の血管は子宮サイドにあり、そこを切断すれば早かれ遅かれ卵巣は退化して、ドライフラワーのようになってしまう。 子宮と卵巣は一体のものであり、可能な限り、一緒に保存することが理想だと思います。
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