1997年4月第6号 文:阿部
●恥ずかしがらずに受診を
生理痛がひどいという悩みをもつ女性のなかには、もしかしたら子宮筋腫か内膜症では…と内心不安に思いながら、なかなか婦人科に行く勇気がなくて、受診を一日延ばしにしている人もいるようです。
婦人科の受診をためらわせるもののひとつに内診があるというのはよく聞きますが、当クリニックの診察では必ずしも婦人科的な内診を必要としません。内診するまでもなく、腹部からの超音波診断やMRI画像検査だけで、かなり確実な診断がつくものです。
その一方で、生理痛を病気によるものだとは考えなかったと語る患者さんもいますが、生理痛がひどいということは何らかの病気が進行しているというサインです。
受診するのが恥ずかしいからといって我慢しているうちに症状は年々ひどくなり、あとで後悔することになりかねません。将来につながる自分の健康と幸せのために、ぜひ勇気を出して受診してほしいと思います。

●「様子を見ましょう」では治らない
生理痛に悩む女性のなかには、子宮の病気を疑いながら、子宮筋腫と腺筋症(内性子宮内膜症)の関係がよくわからないという人もいます。
子宮筋腫と腺筋症はともに子宮の病気であり、症状も似ていることから同じものと考えがちですが、両者は全く別の病気で、病気の重度の面では筋腫より腺筋症のほうが深刻です。
また、筋腫から腺筋症に、あるいは腺筋症から筋腫に移行することはありますか、とよく質問されますが、移行することはありません。一般的に両者が合併していることも多いのでそのような印象をもたれるのでしょう。
生理痛の原因として筋腫が見つかった場合、たいていの患者さんはまずスプレキュアなどのホルモン治療を受けます。しかし、ホルモン剤によって筋腫を小型化することは期待できるとしても、筋腫そのものから逃れることはできず、病気を長期に引き延ばすにすぎません。
多くの婦人科の医師は「様子を見ましょう」と言いますが、子宮筋腫や腺筋症は、様子を見ているうちに治ったり、症状が軽減するような内容の病気ではないことを理解してほしいと思います。
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