●手術記念ファイル---(クリニック点描その3)
広尾メディカルクリニックを退院した患者さんには「手術記念ファイル」が渡されます。斎藤先生が自らタイトルを手書きした表紙を開けると、クリニックの全景、院内のロビー、手術室、1週間を過ごした病室、化粧室などに続いて、手術中の斎藤先生のプロフィール、スタッフ全員の顔などがカラー写真で綴られています。ちょうど卒業写真集のような感じなのです。
ファイルは、検査データ、MRIの映像、術前の側面から見た腹部の写真、そして手術で摘出された筋腫の肉片の写真と続きます。つまり、クリニックに通院するようになってから、無事手術を終えて退院するまでの「卒業記念」なのですが、ファイルの中身は「卒業後」も増えていきます。術後の組織検査の結果、MRIの映像…、そのどれもに斎藤先生の手紙が添えられています。「組織検査の結果のコピー、いずれとも良性でした。よかったですね」というふうに。
「手術記念ファイル」には卒業後の教え子の将来に目配りする教師のまなざしがあふれています。
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